White Trails / Chris Rainbow


なぜ突然のクリス・レインボウかというと、好きだからです。



クリス・レインボウはスコットランドはグラスゴー出身のソングライター。

APPのファンには楽曲『双子宮』などでお馴染み。

ソロ作の性格はイギリスのひとりビーチボーイズといった趣。(APPに参加してるためかフィールド的にはプログレ?)

「ひとり」というのはコーラスを全てひとりで重ねているということ。いいですね。変態ですね。

しかしビーチボーイズらしいとはいえ産地はイギリス、

手の届かぬようなオシャレさはあまり感じさせず、なんとなくモヤっとした霧っぽさ、なんとなく情けない感じがすてきです。

そしてバックバンドにギターとして、我らがパイロットのイアン・ベアンソンが参加。

APPつながりなのか、スコットランド出身つながりなのか。


本作は1979年発表の3rdであり、ラストアルバム。

時代の影響もあってか感じられるのはいわゆるビーチボーイズ感だけでなく、ピカピカ輝きながらも淋しいような雰囲気。

表題曲の『White Trails』などは、夕立の後の夕焼けと街の灯が点いていく景色のような、

うれしさとやりきれなさが混じった気分になれる名曲です。


イアンの目立つ曲はなんだか5〜8曲目(ちょうどB面)に集中しています。

ボーカルの切れ間に合いの手のように小気味よく入ってくるあのギターです。

特にやはり表題曲の『White Trails』!終盤がもはやギターソロ!縦横無尽!


クリス・レインボウはプログレとビーチボーイズの狭間でどちらにも属しかねる歌手だそうで(国内盤ライナーより)、

なんだか残念で好感が持てますね。ああニッチポップ。


そんなクリス・レインボウがお好きな方には、

Mouth Music / Chris White

(同じく英国のひとりビーチボーイズ。60年代。ゾンビーズのベースの人とは無関係。こちらはもう少し60年代のビーチボーイズっぽい。)

Would You Believe / Billy Nicholls

(「ペットサウンズへの英国からの解答」らしい。60年代。サイケで切ない名作。バックボーカルのスティーヴ・マリオットもかっこいい。)

This Is Us / Harmony Grass

(これまた英国のビーチボーイズ。60年代。時代ごっちゃになるけどちょっとマーティン・ニューウェルっぽいかも)

…のあたりもおすすめでございます。ぜひぜひ。


曲目

1.Love You Eternally

2.Don't Take The Night Away

3.Song Of The Earth

4.Be Like A Woman

5.Ring Ring

6.Street Wise

7.White Trails

8.In Love With Love


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